村
今でこそ上京しているが昔は村に住んでいた。村社会とはネットでよく観られる蔑称表現だが、実際に住んでいた者としては実態もう少し違っていて、もっと粘着的で人同士の繋がりが第一であり、集団行動という洗脳じみた行為を求められる上に、権力的に強い人間に従わなければ普通にハブられるような地域である。
迎合しなければまともに生きる事が難しくはあった。それ故馴染めない人間は出ていくか、死ぬか、引き籠るか、自分を捨てて回りに合わせるかのどれかしかない。
村社会とは、全く変わり映えしない人間関係が長年続く事で形成されるコミュニティである。
これは村という地域の呼称以外に、あらゆるコンテンツ、とりわけ過疎化されたコンテンツでよくみられる。
長く居続けるが故に、人間同士の力関係が変わる事無く、また居る人間の発言力が強く、周囲にも従う人間以外に残らず、増長したコンテンツ内での振る舞いは常にあり続ける。
一種のマインドコントロールか、あるいは元々そういった人間達が集まるせいなのか。
そういったコミュニティはいずれ淘汰され、社会から切り離されていくのだが、切り離された為に、自活できるコミュニティとなり無法地帯と化す。
コンテンツという人の集まりという認識程度であれば、まだ変化する望みはあるかもしれない。
それが本当の村という、数千人単位の人間社会になると、そうそう変わる事は難しい。